冬三日月深き眠りの重機たち

 

顔はめパネルの笑顔は歯抜け春隣

 

雪解風ゆらりと動き出す何か

 

残雪や裏返す土黒々と

 

種袋かさり明日の庭思ふ

 

    松井季湖

                写真 季湖・比良山系の早春


春遠し民主主義って何ですか

 

薄氷や地球の色は空の色

 

二月礼者京都盆地は雲の下

 

きさらぎと言いきさらぎと響く音

 

福豆買う自由と平和祈りつつ

 

    おーたえつこ

春隣散歩の犬に声かける

 

春セーター編んだ時間を巻き戻す

 

五丁目の角を曲れば犬ふぐり

 

すみれ草友への手紙書けぬまま

 

きさらぎの皿をあふれるチョコソース

   

   たかはしすなお

 


目礼に返す目礼春淡し

 

逆さまに春が動いているところ

 

手紙書く時間の余白ヒアシンス

 

言の葉の一つ残して鳥雲に 

 

逆さまに靴はいたまま卒業す

 

     つじあきこ
            写真 あきこ・京都マラソン


余寒空選挙演説は絶叫

 

らんぼうなバリカンだこと寒日和

 

幼子のきゆうと鳴く椅子春淡し

 

喪の家に長い靴べら梅ひらく

 

寒明けや桜でんぶを買いにゆく

 

    辻水音

八十五歳の静かな朝や風花す

 

老いてゆく自分が好きだ寒夕焼

 

縁あつて句友八人実南天

 

痛みを飛ばす魔法はないか春の虹

 

金平糖取り寄せ供ふ春彼岸

 

   はしもと風里


節分の優先席に陣取って

 

愛の日の火災報知器誤作動で

 

淡雪や舌に転がすビターチョコ

 

教皇の白いカロッタ冴え返る

 

逆縁を嘆いた日々の春の海

 

  波戸辺のばら

        写真 のばら・ごだいりきさんのおさがり


ワッフルを食べる笑顔と桜草

 

雛飾る母が女の子に戻る

 

カフェの戸のほんのり開いてシクラメン

 

春の雪お腹が鳴ったのは秘密

 

春の波のようにドッヂボールの子

 

 

  林田麻裕

 

 ひろさんは今月も体調がすぐれないようです。

 

 早く春が来ないかな。(椿のつぼみ)