さようなら、ありがとう

 

双子の孫が小学生の時に、学校帰りに段ボールに

入れられた生まれたばかりの子猫を一匹ずつ抱いて

帰ってきた。黒白の子は孫の所で、黒猫は家で飼うこ

とになったのは13年前。

こうして思ってもいなかった猫との暮らしが始まった。

一緒に暮らすと、情が湧くもので、日増しに可愛くなり、

大切な家族になった。

毎日、何回「可愛いね」と言っただろう。毎日、何回

笑わせてもらっただろう。夫婦ふたりの生活に豊かな

彩をくれたジジ。

生きているものには必ず訪れる死。5月頃から食欲

がなくなり、腎臓病と診断された。点滴もおとなしく受

けてくれ、この子はもっと生きたいのだと思い、頑張っ

て点滴に通ったが、ついに力尽きた。

白いアガパンサスが畑にたくさん咲いていたので、

泣きながら切り、棺に敷き詰めた。好んだ餌やおもちゃ、

メッセージカードを入れて、宇治の動物霊園で荼毘に

ふし見送った。宇治に生まれ、宇治に眠るジジ。今まで

ほんとうにありがとう。さよならしてから、もうひと月経

つのに、君が居ないことに慣れないふたり。

 

  逝く猫の棺に白いアガパンサス

 

       波戸辺のばら

           写真 のばら・ありし日のジジ

 


            噴 水

         

  最高気温の更新、そして猛暑日連続の更新と地球

温暖化の影響で、記録に残る猛暑の夏だった。暦の上

では秋だと言うのに、35℃を越える日の多い事。これは

もう残暑とは言えない。

秋の季語をと思ったが「噴水」にした。歳時記には「季

節は問いませんが、涼感があると言うことで夏の季語と

されている」と書いてある。そう言えば夏になると噴水の

中で遊ぶ子の映像がテレビで流れていたな。

先日天満橋の大川を歩いていると、大きな筏のような

所から噴水が出て来た。「水と光のウォーターショー」らし

い。私は珍しくて写真を撮りながら見ていたが、他は誰も

見ていなかった。川沿いは風もあり、噴水のお陰で2、3

は涼しくなったはず。

 

噴水へトロンボーンの管伸ばす

    田中春生

噴水の落ちゆく穴のありにけり

    種田果歩

噴水の踊る様子を見てゐたり

    小山佳栄

 

           たかはしすなお

                               写真すなお・噴水 


季湖の虫活   写真 季湖

昨年以上に猛暑続きの今夏。
カマキリの姿は710日過ぎに血汐紅葉の枝葉で見かけたのが最後。

朝に夕に庭に出るたび探すのですが出会うことはありませんでした。
ほぼ毎日ほぼ同じ場所に姿を現すニホンアマガエルを追いながらも、

チカラと名づけた今年のカマキリのことを忘れたことはありませんでした。

 

 

ある日の夕方、庭の水撒きを始めたところ、軒下で動くものが。
立派に成長したチカラでした。よく見ると右前脚の先がありません。

以前、車のクォーターパネルの隙間に右前脚を挟んでしまった

あの子に違いないと勝手に感動しています。



  可愛いケロちゃんも見てやってください。