くるくるとホース巻き取る庭薄暑
髪上げてほくろ現る梅雨入りかな
眠れずの朝百合の香の重し重し
厨事あらかた終へてけふ夏至と
魂の触れ合ふ刹那星涼し
松井季湖
写真季湖・カマキリ
走り梅雨傘と傘とでお辞儀して
真っ白な花よ滝まで下り道
梅雨の海昏し万博行きのバス
外つ国の言葉のリズム手毬花
日本という国にいて梅雨に入る
おーたえつこ
より道をしているだろうアリとボク
鉄棒をくぐり緑の森へ行く
友といてちょっと退屈生ビール
木下闇ひかりを写生しています
思い出がなくなるなんて洗い髪
たかはしすなお
青梅のころんと落ちて山田君
青葡萄インターホンからおばあさん
紫陽花の四つ辻方向音痴です
ジューンドロップざぶざぶ洗うスニーカー
引き出しのことばの欠片青葡萄
つじあきこ
写真あきこ・源光庵
悟りの窓(丸窓)と迷いの窓(角窓)
光り物こぼさぬように梅雨の蟻
耳鳴りの機嫌音階はグラジオラス
手毬花弾む一間のポチの家
風止みて息ととのえる金魚草
万緑や夫と手つなぎしてよろけ
辻水音
新緑の窓辺にパセリ育ちけり
五年目の祭壇あふる白き薔薇
四十雀鳴いてゐるツピツピと返そうか
炎昼を息継ぐことに精一杯
キャンドルの揺らぎ見つめる夏至の夜
はしもと風里
記念樹はあなたの好きなハナミズキ
そら豆は空の深さを知っている
カラーのブーケ六月の花嫁に
少年の秘密基地跡風青し
里山の風にほどける夏蕨
波戸辺のばら
写真のばら・カラー
半ズボン父にはすね毛生えなくて
梅雨空やロングスカートあきらめる
真っ白なあごひげの人冷房車
母さんのバッグは重いねじりばな
冷房や肉屋十年前の歌
林田麻裕
火箱ひろ
今月は体調が良くないので
俳句が出来ませんでした。